タイヤ製造大手各社の、SUV(スポーツ用多目的車)や高級スポーツカー向けの「高性能ハイインチタイヤの増産計画」が目立っています。
最近のSUV人気を背景とした重要の拡大が今後見込まれることや、新興国メーカーとの低価格競争にも対抗できる、高度な技術を持ち合わせている為、高い収益性も期待できると判断した為です。
ハイインチタイヤとは、通常のタイヤよりも一回り大きいのが特徴で、価格が高い代わりに運転性能に優れており、海外でも日本製のハイインチタイヤは高い人気を誇っています。
大手タイヤメーカーの横浜ゴム(本社:東京)は、愛知県新城市の新城工場で、内側の直径が18インチ(約46センチ)以上のタイヤを増産しています。今後は2018年4月までのフル生産を目指しています。今回の増産に対して約37億円の費用を投じて、生産能力はこれまでと比べて約20%増える事になります。
この18インチ以上のタイヤは、ドイツの「メルセデス・ベンツ」等から引き合いがあり、同社関係者は「国内で販売される新型車のタイヤもハイインチ化が進んでいる」と語っています。高級車向けのハイインチタイヤは、時速300㌔以上での走行にも対応可能など高い技術力が必要な為、国内の工場で生産をしています。
また、東洋ゴム工業(本社:大阪)は、約130億円の投資で、米国工場の生産能力を増強しています。同社の関係者は「北米で高まっているSUV人気が追い風になっており、ハイインチの製品は高評価されている」と話しています。
ブリヂストン(本社:東京)の関係者は「石油の値段が下がり、米国国内で大型車の売れ行きが好調」とハイインチタイヤの人気の背景を指摘しています。ハイインチタイヤを製造している米国工場の生産能力を、約197億円の投資で更なる向上を図っています。
住友ゴム工業(本社:神戸)は、トヨタが製造し、SUV車の代表的モデル「ランドクルーザー」に高い納入実績があります。同社の関係者は「我社の技術能力を持ってすれば、他社にも十分勝てる。各工場にもランドクルーザー向けの生産技術を展開していく」と意気込んでいます。
海外でのハイインチタイヤの需要拡大は、今後も続きそうです。
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