2019年06月22日、名古屋市熱田区金山駅近くの交差点で、左折しようとしたタクシーに後ろから来た乗用車が追突し、乗用車はそのまま逃走してしまいました。
このはずみでタクシーが歩道に乗り上げ、歩行者の54歳男性をはねてしまい腰の骨を折る重傷に、タクシー運転手の72歳男性も首などに軽いケガをしました。
出典:http://www.tokai-tv.com/tokainews/article_20190623_88256
当て逃げによるもらい事故の対処法は?
今回のケースでは重症の怪我人が出ているということなので、まずはタクシー運転手の男性自ら、不可能な場合は周りにいる協力者を探して無線や携帯電話で救急車を呼び、骨折した男性を安全な場所へ移動させます。
身の安全が確保出来たらすぐに警察を呼び、事故を最初から見ていた目撃者がいないかを探しましょう。
警察が到着し現場検証が始まったら、逃走した車の特徴や事故の詳細を警察に伝え、車両に備え付けているドライブレコーダーの映像を提供するなどして逃走した車を探し出すことが重要です。
逃走した車を早く特定できる可能性も高くなるので、タクシーに備え付けられたドライブレコーダーを提出し、目撃証言を照らし合わせて警察の捜査にできるだけ協力しましょう。
タクシー運転手の場合や会社の商用車を運転している場合は所属している会社に連絡し、加入している保険会社と連絡を取り合えるように手配します。
一般の車両で個人の事故であれば、自身が加入している車両保険の会社へ連絡をし、その後の指示に従います。
今回のケースではタクシー運転手の男性も軽傷ということなので、会社や保険会社と相談して病院へ行き、犯人がつかまるまではひとまず治療費を負担してもらいましょう。
逃走車が捕まらなかったら賠償金は誰が支払う?
そもそもタクシーと歩行者男性だけの人身事故の場合であれば、タクシー会社が加入しているタクシー共済と示談交渉を行うのが一般的。
ですが今回の場合は、当て逃げをした車両に問われる過失割合が高い可能性が多く、後日当て逃げ犯がつかまった場合には乗用車を運転していた人物に損害賠償の請求を行います。
当て逃げやひき逃げで重傷者や死亡者が出た場合の警察の検挙率は高く、現場も人通りが多くドライブレコーダーなどの物的証拠が残っているかも知れないことを考えると、逃走した車の特定は出来るかもしれません。
一方で、逃走車の運転手が発見された場合は警察に任意同行をし、自動車運転過失致傷の疑いで捕逮され刑事裁判に発展するケースも。
当てた側の運転手はタクシー側に本当に非がなかったのかで酌量される場合もあり、その過失割合は裁判によって判決が下されます。
タクシー運転手の男性も歩行者男性も、医師に診断書を書いてもらったりするなどして来たる裁判に備えて賠償金を支払ってもらう準備をしておくことが大切です。
まとめ
もしも当て逃げに遭遇した場合は証拠を集めることが第一優先。
ですが、当て逃げした運転手の状況によっては過失割合も変わるため、当てた側も当てられた側も現場を離れずに警察による現場立証に立ち合うことが過失割合の決定の手がかりとなります。
当て逃げやひき逃げは犯罪行為なので、パニックになっても慌てずに怪我人の究明行為を行い、現場に留まることが大切です。