愛車が水に浸かったらどうすべきか

近年、地球温暖化が原因とみられる異常気象が世界的に猛威を振るっています。我が国においても、ゲリラ豪雨の頻発や、猛烈な勢力に発達した状態での台風上陸などが現実に起こっています。

これに伴い、増水した河川の氾濫、あるいは海岸付近での高潮などによって、自動車の浸水被害が頻発しています。では、不幸にも自動車が浸水被害に遭ってしまった場合、どのようにすればよいのでしょうか。

エンジンの吸気口の高さまで浸水した場合

自動車は車内に多数の電子機器を搭載しており、車内が浸水するほどの水位となってしまった場合、電子機器が正常に動作しなくなる恐れがあります。

また、エンジンルーム内などにはエンジンを始めとする動力装置が設置されており、浸水によって装置内部に水が入り込み、不具合が発生する場合があります。特に、エンジンの吸気口の高さに達するほど浸水した場合、エンジン内部のシリンダーに水が溜まっている状態でエンジンを始動しようとすると、吸排気バルブを損傷するなど、大きなトラブルにつながります。

車内が冠水した場合

前述したエンジンの吸気口ほどの高さにまでは至らないまでも、車内が冠水する状況となった場合、車内を乾かし換気し、必要に応じて内張りやシートを取り外して水洗いするなどして、とりあえず復旧させる方法があります。

しかし、車内には走行や操舵に不可欠な電子機器が多数設置されているほか、ワイヤーハーネスと呼ばれる電線が無数に張り巡らされています。これらが浸水することで、電気回路の短絡(ショート)や接触不良といった症状が発生する恐れがあります。

これらは浸水後、当面の間は問題が起こらなくても、時間の経過とともに急に症状が現れる場合があるのが厄介です。特に、海水に浸かった場合には、乾燥によって塩分が析出し電気の絶縁を阻害してしまうため、電気回路の短絡を招くほか、塩分による金属部位の腐食がじわじわと進行することが懸念されます。

ハイブリッドカーの場合

浸水で最も気をつける必要があるのがハイブリッドカーです。

ガソリン車やディーゼル車など、エンジンのみを動力とする自動車と比べ、モーター動力とエンジン動力を組み合わせて走行するハイブリッドカーは、大容量の走行用バッテリーやモーター、インバーターなどの複雑かつ大きな電流が流れる機器を多数搭載していることに加え、ガソリンあるいは軽油等を燃料とするエンジン動力も積んでいます。そのため、浸水による影響を、エンジンのみ搭載した自動車よりも受けやすく、感電事故や火災事故につながりやすいとされています。

ハイブリッドカーではないものの、エンジン動力を積まない電気自動車に関しても、大容量のリチウムイオンバッテリーあるいはニッケル水素バッテリーを搭載しており、浸水後にむやみに使用すると、感電あるいは火災に見舞われる場合があります。

浸水した場合は素人判断はせずにプロの診断を

程度にかかわらず一度でも浸水してしまった自動車は、むやみにエンジンを始動しないようにしましょう。

一見、問題がないように見えても、使用するに従って浸水の影響が顕在化してくる恐れがあります。素人判断はせずに、自動車販売店や整備工場のメカニックに診断してもらうようにしましょう。

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